旅の足跡 (東北編)

中国地方もそうだが、東北と言うとどうしても中途半端なイメージで、 どうせなら北海道まで行こうということになってしまう。
と書いたが、東北も旅をするうちにその良さにとりつかれてきた。 最近の旅行はこのページの後半に詳しく書いたので参照されたい。

盛岡 : 盛岡には泊まったことはない。 宮古に行ったときの 玄関口として利用しただけである。 一応、盛岡城跡まで歩いたのと マイタケそばを食べた記憶がある(わんこそばは食べなかったな)。

宮古 : 宮古には盛岡からバスで行った。 確かゴールデンウィークの頃だった。 曲がりくねった道でかなり消耗した。 泊まったのは浄土ヶ浜近くの(だったと思う)民宿。 ここの見所はやはり浄土ヶ浜に尽きる。 遊覧船に乗って海鵜や海岸線を 堪能。 浄土ヶ浜にはバスで行ったかもしれない。 昔のことなので記憶があいまい。

遠野 : 宮古から釜石で鉄道を乗り換え、遠野に行った。 遠野は言わずと知れた柳田國男の世界である。 夕方着き、民宿曲がり屋にて投宿。 遠野物語おたくがマニアックな会話を交わしていてなかなか異様な光景ではある。 翌日は宿の近くにある五百羅漢を見て、駅から観光バスで河童淵などを 見て回る。 本当はレンタサイクルなどで回るのがいいのかもしれない。 このときは時間もなかったので効率的にとりあえず見たという感じである。

平泉 : 上記盛岡、宮古、遠野に入る前に最初に訪れたのが平泉である。 東北新幹線を一関で下り、東北本線で平泉に向かう。 この日の内に宮古まで行かねばならず(本当は花巻あたりで一服したかったが 宿が取れなかった)、やはり観光バスでいろいろ回った。 厳美渓、中尊寺、毛越寺など。 金色堂はさすがに観光客が多かった。

松島 : 松島は子供と一緒に妻の姉の車で行った。 寒さのせいでこの後子供が初めて風邪を引いたので、冬だったと思う。 松島は奥松島が風情もありお勧めであるが,車で行ける範囲には限度が ある.

いわき : いわきは常磐道で一本で行けるから便利だ. この辺りは茨城県との県境ということもあり行きやすいのだが まだ一度しか行ったことがない. 数年前だったと思うが,勿来の関(なこそのせき)というところにある 国民宿舎にダメもとで当日電話してみたら空いていた. 一泊の急ぎ旅だったのであまり覚えていないが,いわきで魚を食べたのと, 五浦というところにある岡倉天心(?)ゆかりの六角堂という海沿いの崖にある お堂のようなものを見に行った記憶がある.

磐梯(浄土平) : 磐梯吾妻スカイラインのハイライトの一つ,吾妻小富士と 一切経山のふもとである浄土平の近く(兎平)でキャンプができる. キャンプ場の使用料はかなり安い. ここはもともと妻が星の観測のために昔来ていた場所である. 浄土平には天文台があり,夏にはかなりの人が来るらしい. 一回はキャンプの用意も何もせずふらっと軽自動車で行こうとしたのだが, 台風か何かが来ていて,夜全く視界がない中を走って すごくこわい思いをして途中で挫折した(途中のドライブイン駐車場で夜を明か した). 二回目は最初からキャンプをするつもりで出かけた. 熊が出そうな雰囲気が漂っている(実際に出るのかどうかはよく知らない). 吾妻小富士はすぐに登れ,火口の周りを一周するのもすぐできる. ただ少し足場が悪いので小さい子供でも行けたかどうかは不明. 私が行ったときはまだ子供が出来る前であった. 一切経山は高い山で 砂地の山肌がかなり登りにくい. がんばって登り頂上に着くと天気がよければ すばらしい眺望が期待できる. 登り口の反対側には有名でない方の「五色沼」 が見え,これは苦労したというせいもあるかもしれないが,有名な 五色沼よりもきれいである. ちなみに有名な五色沼も行ったが(たぶん一回目), 散歩コースがあってそれなりに楽しめる. 全部を回るのは大変なほど広い. 一切経山のふもとには鎌沼という沼がありこちらも木道で行ける.

喜多方,会津若松 : どちらも浄土平に一度目に行こうとして挫折したときに,立ち寄った. 喜多方では駅前のラーメン屋で喜多方ラーメンを食べただけだが, さすがにラーメンに関する情報は入手しやすい. 会津若松は,食料などを仕入れるために立ち寄っただけ.

猪苗代 : (スキー) 猪苗代スキー場に,期間限定だが半額で泊まれる 旅館があり,何度か足を運んだ. 半額でもかなりお客さんは少なく, いつまでやっているか不安ではある. 猪苗代スキー場はそこそこ広いが, 南斜面なので(特に低標高部分の)雪質はあまりよくないことが多い. だが,人も少ないので好きなように滑ることができる.

白布温泉 : (スキー) 大学院時代に研究室のスキーツアーを企画し, 行った. 宿泊は国民宿舎で,天元台スキー場まで少し歩く. 米沢とバスで結んでおり,福島まで行けば東京までのアクセスは結構よい. スキーがメインだったので宿の食事や温泉の記憶はあまりない.

安比 : (スキー) これも大学院時代にスキーで行った. 往復とも高速バスというハードなスキーツアーであった. スキー場は かなり洗練されていて,ミーハー受けしそうである. 宿などの記憶は ほとんどない.

浅虫温泉(青森)・男鹿温泉(秋田) : JR東日本 の企画切符で 3 日間 JR 東日本の 新幹線,特急に乗り放題の「ゴーゴー3DAYSきっぷ」で12月末に東北一周旅行 をやった. とりあえずできるだけたくさん新幹線と特急に乗り, かつ温泉巡りをしようということで浅虫温泉と男鹿温泉に 泊まる. まず土浦から「フレッシュひたち」で上野まで行き,上野から東京まで E4 系,東京から「やまびこ」(E2 系だったか?)で盛岡,そこから「はつかり」で 浅虫温泉に(できればスーパーはつかりに乗りたかったが). 真冬の浅虫温泉 は人出もそれほどでなく,また泊まった宿も料理・温泉ともかなりよかった. 宿では津軽三味線の実演などもあり楽しめた. 翌日,再び青森まで「はつかり」, そこから「いなほ」に乗り換え秋田へ. 大雪のため青森の乗り換えがぎりぎり になり,子供を抱いて走る. 秋田から男鹿線に乗り羽立で降り,バスに乗り換 え男鹿温泉へ. 男鹿半島は思ったよりも大きく,チェーンを巻いたバスで かなり辛い思いをして旅館に到着. 男鹿温泉の付近は各旅館の近くまでバスが 行くのでバスの運転手さんに自分の泊まる旅館を伝えておくとよい. 海も見ず,旅館の玄関にあるなまはげだけで秋田を感じつつ再びバスと男鹿線で 秋田まで戻る. 秋田は新幹線が行っているとはいえ,駅前はまだかなり小さい 街並みである. しかしそれなりに新しい店がいろいろ出来ている. 駅前の店で食べ物と日本酒を仕入れ,「こまち」に乗って一気に東京へ. 東京から再び上野まで新幹線で行き,そこから「フレッシュひたち」で土浦まで 戻る.

青森、竜飛、十和田 2002 年 11 月はじめ: 再びJR東日本の企画切符である。 今度のは「ふたりの北東北」というもので、 二人とはいいつつ無料の子供(6歳)連れである。 この切符は web などで見てもかなりたくさんひっかかるのでいろんな情報が 拾えるであろう。 一言で総括してしまうと、北東北はかなり電車の便が悪い。 この企画切符では、バスも一部利用可能ではあるが、それも本数が少ない。 従って、行き当たりばったりで旅行してもほとんど動きが取れないであろう。 そのため、時刻表などをできる限り活用して綿密に調べていった。 なお、指定席は行き帰りの新幹線しか取れないので注意されたい。

(竜飛) まず、初日の目的地は津軽半島の先端にある竜飛岬(龍飛岬)。 石川さゆりの津軽海峡冬景色でも有名な場所であり、青函トンネルの本州側の 入口としても知られている。 まず上野から新幹線で盛岡まで。 そこから特急はつかりに乗り換えて青森まで。 これは前回の旅行と似たようなルートである。 はつかりはかなり混雑しており、前回のように指定席が取れないと座るのが かなり困難であった(途中でばらばらに座った)。 これからは「はやて」が八戸 まで開通したので多少状況が変わるであろうか。 さて、竜飛までは青森からが遠いのである。 まず。青森から津軽線に乗り換え蟹田まで。 蟹田で降りて接続の列車を待つが、そのとき雪(あられ)がちらちら。 さすがに北国に来たなと思った。 蟹田から三厩ゆきの列車に乗り、終点まで乗る。 三厩から竜飛までは村営の バスが運行していて、列車を降りて改札を出るとバスが待っていた。 宿泊はホテル竜飛というところである。 実は、バスの運行ルートが下調べ ではよくわからなかったのであるが、ちゃんとホテル竜飛の前で止まってくれ たので、問題はなかった。 補足しておくと、三厩から竜飛まで来たバスは最初 に漁港に行き、そこで U ターンして途中まで戻り、坂を上って青函トンネル記 念館、ホテル竜飛を経由し竜飛灯台そばまで運行している。 ホテル竜飛は思っていたよりは立派なところで値段が高いだけのことはある。 ホテルの中には青函トンネルの真上をあらわすオブジェがあり、列車が通過する と照明が7色に変化し列車の音が聞こえるという仕掛けがあった。

(竜飛から青森) 翌日は竜飛を散策。 幸い天気はよかったが、風がすごい。 台風でもないのに 休む間もなく突風が吹き荒れている。 秋でもかなり暖かい格好をしていった方 がよい。 歩くのも至難の業である。 まず青函トンネル記念館へ。 トロッコ列 車で地下のトンネルまで行くことができるが、列車の通っているところまでは 行くことができないのは残念。 地上の展示などもそこそこ見る価値はあるが、 あれだけの犠牲者を出しているのにそれについては展示でもビデオ上映でも ほとんど触れられていないのはなぜだろうか。 その後風車を見たりして、風に耐えながらまた引き返し、ホテルの前を 経由して灯台の方まで歩く。 途中には津軽海峡冬景色の碑があり、 ボタンを押すと「ごらんあれが竜飛岬北のはずれと。。。」という音が風に 負けない大音量で流れる仕掛けがある。 灯台周辺はさらに風が強く吹き飛ばさ れそうになる。 かなり風に疲れたところでホテル近くの食堂で昼食。 ただしうに丼がなかったのでほたて丼になる。 おいしかったが、この旅行では 好物のうににはあまりお目にかかれなかった。 この日の目的地は青森。 灯台の近くから階段国道を降り、漁港にて村営バスを 待つ。 行きと逆の行程で青森へ。 青森に着くと竜飛のすごさが身にしみたのか ものすごく温暖な気候に感じる。 この日はJALシティに泊まり、夕飯は 駅から伸びる新町商店街沿いの「じょんがら亭」という地元料理屋というか 居酒屋みたいなところで飲みながら食べる。 途中、店先に書いてあった田酒 が気になりたずねた所、ちょうど最後の一杯しか残っておらずぎりぎりセーフ となる。 田酒は非常に個性の強い酒で、透明すっきりというよくある酒とは 全く違う。 以前にも飲んだことがあるが、癖になるうまさであるが、 手に入らないのが難点である。 宿泊した JAL シティはいかにもビジネスホテル という感じだが、雰囲気は悪くない。

(青森から十和田・奥入瀬) さて次の日の目的地は十和田・奥入瀬である。 旅行前はは電車で三沢まで行き、三沢から十和田市まで列車を乗り継ぎ、 十和田市から奥入瀬までバスという算段であった(バスに弱いのでバスに乗る 時間を最小にしたかった)が、三沢から先は企画切符の範囲外であることと、 乗り換えるのも面倒になってきたので企画切符の範囲である青森ー十和田間の バスを利用することにした。 このバスは自由席であるのであぶれないように する必要があるかもしれない。 人数が多ければ臨時便が出るのかもしれないが。 また、本数も多くはないので時間をあらかじめちゃんと調べておいたほうがよい。 青森から十和田までは3時間の行程であるが、途中八甲田手前の茶屋でトイレ休憩が 入る。 それ以外にも観光案内が流れているので飽きることはない。 また、奥入瀬までは3時間もかからずに着く。 途中酸ヶ湯温泉など有名な温泉地を経由していき、そこで乗降する人も 何人かいる。 八甲田周辺はもうこの時期は雪が結構深い。 我々は奥入瀬の途中のバス停で 降り、奥入瀬を散策することにする。 奥入瀬自体はまあすばらしい。 絵に描いたような沢の景色はすばらしく、紅葉の時期でもあった。 しかし、沢沿いに道路が走っており車は多いし、 散策も一部道路を歩くようなところもあり、風情という意味ではかなり興ざめ もする。 上高地のように交通規制をする必要があるだろう。 それにしてはバスの本数が少なすぎるのだが、、、 この辺りのバスは11月5日にまず本数ががくんと減る。 そして11月10日でもうバスはごく一部を除いてなくなってしまうのである。 まだまだ紅葉がある季節にこれではバスはますます利用されず悪循環のように 思える。 実際、十和田温泉郷に戻るバスの時間の都合で早めに戻ることになっ た。 奥入瀬での宿はかんぽの宿十和田である。 ここは奥入瀬の起点の焼山から 奥入瀬と反対側に少し入った十和田温泉郷から900メートルのところにある。 十和田市行きのバスならばもう一つ十和田市側に寄ったところにバス停があり、 そこなら少し近い。 奥入瀬歩きで疲れきっていたので宿に電話して 迎えに来てもらった。 かんぽの宿十和田は改装してそれほど経っていないためこざっぱりした感じ でよい。

(十和田・奥入瀬から帰京) 最終日は帰るだけだが、前日に十和田湖に行けなかったので、再び予定を 変更し、やはり企画切符の守備範囲内である十和田南駅経由で行くことにした。 十和田湖からは盛岡駅行きの直通バスもあるが企画切符の範囲外である。 十和田湖までは青森発のバスに乗る。 途中、展望台を通るのだが、 バスの中からはその眺望は拝めない。 十和田湖バス停まで到着。 紅葉はすばらしかった。 だが、湖そのものの 美しさは水辺からはよくわからない。 時間があれば遊覧船に乗るべきかもしれ ない。 とりあえず高村光太郎の乙女の像を見に行くことにするが、その 途中突然それまで晴れていた天気が急変し、大雪が降ってきた。 やはり11月の上旬は季節の大きな変わり目ということを思い知らされた。 幸い、しばらくして天候は回復した。 バス停付近は食事どころや土産物屋も多いがやはりこの時期を境に閉鎖される ところが多いようなので注意されたい。 少し休憩し、十和田南までのバスに乗る。 最初のうちは十和田湖の眺めやその周辺の眺望がよいが、ある程度行くと 単なる田舎道になる。 ただ、逆にその田舎道は鄙びた感じで個人的には 好みである。 青森ー十和田間と違ってガイドもなく生活感ただよう路線である。 途中で止まる大湯温泉も静かな温泉地でよさそうなところである。 花輪線十和田南は小さな駅である。 電車の本数も非常に少ない。 スイッチバックになったこの駅を出発し、安比や八幡平などスキーリゾート として有名な駅を通過していくと右手に雪をかぶった岩手山が雄大な姿を 見せる。 岩手山が見えると、しばらくして東北線に合流し、盛岡に到着。 そこからは新幹線で東京まで一気に行ける。

今回の旅行では、当初下北半島の方にも行ってみたかったのだが、公共交通機関 だけを使って移動するにはあまりにも不便なので断念せざるを得なかった。 東北に行くなら北海道に行ってしまうと前に書いたが、東北は言葉や食事など ある意味で北海道よりも辺境感がある。 また、竜飛岬の強烈さは冬の宗谷岬 を上回るものがあった。

未踏地: 一応全県制覇しました。 山形はあまりまだ行っていないけど



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