囲碁入門のページなど作り書けていたのですが、根が不精なので 全く更新できなかったので、日記のように使っている落書帳 のページに習って、こういう形にしてみました。 さて、どうなることやら。
まず、自分と囲碁との関わりについてしばらく書いておこう。 世の中の大多数の人と同様に、囲碁とはほとんど関わり無く生きて来た。 それなりにスポーツ少年だったので、暗いとか爺臭いというイメージもあった。 しかし、将棋はそれなりにやったので、盤がなかったとか知っている人が周りに 少なかったというのがほぼ 30 年間囲碁と無縁に生きて来た理由であろう。 それでも、何か陣地合戦みたいなルールで、石を取ったりもできるというのは 漠然と知っていた。
囲碁を覚えたきっかけは家内が社会人になってから東京女子大の心理学科 に通うようになってからである。 林道義という哲学の先生の「囲碁の深層心理学」 という授業をとったのがきっかけで、実はその授業は囲碁を打つだけの授業 なのだが、私も相手をさせられた。 まあルールを覚えてみたかったので、 喜んで相手になっていたのだが、私の方がはまってしまったというわけだ。 彼女の方は単位を取ると囲碁への興味は失せてしまったようだ。
とりあえず碁盤がなければ話にならないので
森さんのページのjava applet を借用。
一応入門ページの代わりということで、最初のうちは主にルール説明します。
上の碁盤にあるように、通常黒から先に打ち、交点に順に打ちます(今打ってある
場所は単なる説明用で、どの交点に打っても構いません)。
この碁盤はサイズが 9 x 9 なので
九路盤
といいます。主に入門向けで、
正式には 19 x 19 の十九路盤で打ちます。 基本的に空いている場所なら
どこにでも打てますから入門の方はクリックして打ってみてください。
ゲームの目標はできるだけ広い陣地を囲うことです。 時には妨害し、時には相手と戦いながら陣地を広げて行くわけです。 ルールとしては、石の取り方と、陣地の数え方を覚えれば一応ゲームができます。 これはまた次回に説明します。
囲碁は「信長の野望」のようなシミュレーションウォーゲームや 「ファイナルファンタジー」のようなロールプレイングゲームのような要素を もっています。 それをこの無味乾燥な十字路と黒白の石だけでやってしまおう というわけで、抽象的な分、プレイヤーの想像力を生かせるゲームなわけです。 私は unix の有名なゲームである rogue や nethack という文字ベースの ロールプレイングゲームが好きなのですが、あれも、文字にモンスターやダンジオン を思い浮かべることにより、壮大な想像力をかきたてられます。 囲碁は爺臭いイメージがありますが、子供の方がいろいろ想像力を発揮できる のではないでしょうか。
上に、一応ゲームができると書きましたが、実際には自由度が大きすぎて 最初はどこに打ったらよいか皆目わかりません。 囲碁は長年にわたって いろいろなノウハウを蓄積してきました。 それらは格言として残っていますし、 独特の囲碁用語を多数生み出しました。 囲碁用語がわかるようになれば、かなり、 上達したと言えると思いますが、それまでは新聞の囲碁欄を見てもちんぷん かんぷんでしょう。 まあこれは、 RPG で言えば呪文の名前を覚えるような ものですから、ここでも随時説明して行きたいと思います。
最近珍しくちょっと忙しかったのでここも御無沙汰してしまった(まあ私にしては 普通だけど). このページは日記の形式で並べていたのだが,入門の人とかは 前から読み返したいことも多いので日付順に並べ直しました.
今日は陣地について少しだけ説明します.
「陣地」と一言で言ってもあいまいでなかなか理解できません.
私が囲碁のルールをほとんど知らなかった頃は,こんなように
境界を作れば陣地になるだろうとは思っていました.
そこで最初に起きた疑問は,
自分が陣地だと思っていたところ(上の碁盤の左半分)に相手が陣地を
作ってきたらどうするか? ということです.
これに対処するために「石を取る」というルールがあるんですね.
というわけで今日は時間が無いので次回に続きます.
囲碁は文化としての伝統があるので,余計に若い人には近寄り難い. 日本棋院は程度の差はあれ相撲協会みたいな臭いがする.
ということで,公式対局もスケルトン碁盤にスケルトン碁石というポップな 感じにして,棋士もみんなヘアマニキュアしてはどうか. 特にテレビ対局ではバックにダンスミュージックを流して, 大石を取ったり,すごい手筋が決まったら格好いい効果音を出すと言うのは どうか. 聞き手も爆笑問題とかダウンタウンとかにして,ツッコミまくるとか. 却下だろうなー^^;.
さて,前回説明したように,自分が陣地と思っていた所に相手が入って来たら, それを取る必要があります. 逆に言えば,取れなければ陣地だと思っていたのは勘違いで,本当はもっと 守っておく必要があったということになります.
一言で言えば,相手を取り囲めば石が取れます. 石には「呼吸点」と呼ばれるものがあります. 一個の石の呼吸点はその前後 左右の 4 つの方向です(斜めはなしです). その 4 つの方向を塞げばよいわけです. 複数の石の集団があったときも, その集団の石を囲めば取れます.
1 個の石の場合 (E-3 の位置に打つと白石が取れます)
たくさん石があっても同じ(G-9 に打てば白が取れます)
次回はこの基本を踏まえて,石を取るいろいろな場合について 着手禁止点と絡めて説明します.
この調子だとどこにでもある囲碁入門のページと同じだなー. 本当は大人のためのエッチな囲碁講座にしたかったのにー. 遠藤周作の著作に「こうすればあなたも囲碁が下手になれる」とかいうのが あったと思いますが,あの本は面白いです. 「上手な初心者」というそれほど強くない方が書いた本もありますが, その本も面白い. ということはそれらの人々よりも私はずっと弱いので,もっと面白い ページができるはずなのですが... これらの本を書かれた方々は ほとんどプロの書き手なので,囲碁の強さとは関係ないですね.
まあ,そのうち面白くなることを期待してとりあえずルールをやっつけないと. 囲碁では基本的にどこにでも打つことができますが,ゲームをおもしろくする 都合上次の二つの場所には打てません
(パターン 1) そこに打つと自分の呼吸点がなくなる所は打てません. でもそこに打つことによって相手の石を取れる時は打てます. 左下の碁盤で,黒は E8 のところには呼吸点がなくなってしまうので打てません (この碁盤では石を置きたくても置けません^^;)が, F2 のところは黒の呼吸点もなくなってしまうのですが, 白の 3 つの石を取れるので打てます(ちなみに,黒が別の所に打って 逆に白から F2 に打たれると黒が取られちゃいます).
右下のは少し複雑ですが,黒が D4 に打つと黒の呼吸点はなくなりますが, 白の呼吸点もなくなって取れてしまいます. (ちなみに黒が別の所に打って逆に白から D4 に打たれると黒が取られてしまいます)
(パターン 2) 相手と 1 つの石を取り合って無限ループに陥るような場合には どちらか一方が取った後は,取られた方はすぐ取り返すことはできません. どこか別の場所に打ってからなら取り返すことができます. これを囲碁用語で「コウ(劫)」と言います. 下の碁盤の D9 に黒が取ったら,白は別の所に打ってからでないと E9 に 取り返せません. D4 と E5,J1 と J2 も同様です.この碁盤では ちゃんと打てないコウのところは石を置きたくても置けないようになっています.
次回は先を急いでゲームの終わり方の説明をしちゃいましょう. もっとちゃんとルールを勉強できるページも紹介します. このページは著者の性格を反映して,ぐうたら囲碁話にしていくつもりです.
なんだかんだと忙しくてほとんど 2 ヵ月ぶりの更新になってしまいました. 今日はゲームの終わり方と勝敗の決め方について. 実はちゃんと説明しようとするとこれが結構難しいんですが, ぐうたら流囲碁では簡単に説明しちゃいます.
まず,「お互いに打つ所がなくなったら」終局です. うーん,なんていい加減な 説明なんでしょう. 打つ所がないとはどういうことでしょう. 次のような場合が考えられます.
初心者のうちは,もう守る必要のないところを守ってしまったり,取れる当ての ない石を取ろうとしてしまったりすることがよくあります. (後者の場合,相手が手を抜かなければ損ではないですが前者は損をしてしまいます.)
さて,お互いに打つ所がなくなって終局となりますが,生きている石と死んでいる石 の認識に違いがあったときは,初心者のうちは,再度打ち続けて白黒はっきりさせた 方が無難でしょう. その上で,相手の死んだ石を碁盤から取り上げて, 既に取った石に加えておきます. そして,次のように点数を計算して, 勝ち負けを決めます.
自分の点数 = 自分の生きている石が囲んでいる陣地(石の置いてない場所)の広さ + 相手から取り上げた石の数
具体例で考えた方がわかりやすんだけど,なかなかいい例題が思い浮かびません というわけで思いっきり人工的な例で説明します. なにせ人工的なんで手順は気にしないで 下さい^^;
下のような局面が終局の例です. 白は 1 個取られていて, 黒は 1 個も取られていません. それから盤上では,右上の方の黒の 3 個の石が 死んでいて,あとはみんな生きています. (ただし,対局者同士が納得しない場合は 更に打ち続けることになります. それから,間違った合意,例えば 右上の黒の 3 個の石が生きているという合意ができてしまえば, それに従って計算することになります^^;)
さて,死んでいる黒の 3 個の石を盤上から取り上げると結局 白が 1 個, 黒が 3 個の石を取られていることになり,生きている石が囲んでいる陣地の 広さは,黒が右下 4, 中央付近 7 + 1 で計 12 目,白が左上 2, 左下 6, 右上角 4, 右辺 6 で計 18 目 それにそれぞれ取り上げた石の分を足すと, 黒は 12 + 1 = 13 目,白は 18 + 3 = 21 目で,白が 8 目多いということに なります. 何のハンディキャップもなければ白の 8 目勝ちということです.
実際には先手の黒の方が有利なので,白にハンディキャップをつけておくのが 普通です. これを囲碁用語でコミと言います. 対等な勝負で一番ポピュラーなのは 5.5 目にするのが普通です(小数点は引き分けを 防ぐための便宜上の値です). 上の例の場合にこれを適用すると,白が 13.5 目勝ちということになります.
以上で基本的なルール説明はおしまい. これでなんとか打てるようになるはずです. もうちょっとちゃんと勉強したい人のために,役に立つリンクを張っておきます. どちらもとてもお勧めです.
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